筋トレを始めたけどわからない用語が多いと感じませんか?
よく使われる用語をまとめました。とりあえず概要がわかれば程度で簡潔にまとめてあります。
筋トレの種類
筋トレには様々な種類の方法がありますが、ここでは代表的な分類を紹介します。
マシントレーニング・筋トレマシン
トレーニングマシンを使った筋トレが行える。初心者でも扱いやすく、動きの軌道が決まっているため安全性が高い。各マシンで筋トレを行う場所が決まっているので、鍛えたい部分をわかりやすく鍛えられる。
ウエイトスタックマシン
ウエイト(重り)をスタック(積む)する筋トレマシンで、マシントレーニングとフリーウエイトの中間的なマシン。マシントレーニングの安全性(軌道が決まっている)とフリーウエイトの効果性(重さが直接的で筋肉への刺激が強い)の良いところどり。主にフリーウエイトエリア付近に置かれている。
フリーウェイト
ダンベルやバーベルを使うトレーニング。マシントレーニングに比べ難易度が高いが、重さが直接的に身体へかかり期待効果が高い。正しいフォームで行わないと怪我のリスクが高まる反面、正しいフォームを取るために鍛えたい部位だけでなく全身を使ってトレーニングができる。
体幹トレーニング
体幹(股関節から肩までのいわゆる胴体)を安定させるために行うトレーニングの総称として使われる。トレーナーやトレーニング団体によって若干定義が異なるので注意。主にプランク・ヒップリフトなどアイソメトリック種目(下記参照)で胴体のインナーマッスルを中心としたトレーニングが行われる。
自重トレーニング
ダンベル・バーベルなど重りを使用せず、自体重を用いたトレーニングの総称。自重スクワット・懸垂・腕立てなどが該当する。高齢者・低体力者がまずは無理なく始める種目として選ばれることもある。自宅でできる手軽さがある反面正しいフォームで行わないと怪我をするリスクもあるため、指導者(トレーナー)のアドバイスのもと行うことを推奨。また、高負荷をかけることが難しく、ダイエットや筋トレ効果の体感は得られにくい。
プッシュ系種目
重りを下から押し上げたり、体から引き剥がす動作のトレーニングの総称(例:ベンチプレス、スクワット)。関節を伸ばす動作が基本で、曲げる力よりも強い。日常生活では、階段を登る・起き上がる・椅子から立つなどの動きがある。
プル系種目
重りを体に引き寄せる動作のトレーニングの総称(例:ロウイング、レッグカール、プルダウン)日本人はプッシュ系種目に比べると力の発揮が弱い傾向にあると言われている。日常生活では、床にあるものを持ち上げる・買い物袋を持つなどが挙げられる。
1種目内で使われる用語
1つの種目を1セット行う中でも様々な用語があります。記録は必要ありませんが、記憶の片隅にだけ置いておきましょう。
レップ(Rep)
repetition(繰り返し/反復)の略語で1回の動作のことを指す(例:スクワット1回←1レップ)。運動初心者は1セット10〜15回を推奨されることが多いですが、ここで言えば「10〜15レップ」となります。トレーニング好きでなければあまり使うことは多くなく、トレーナーもお客様に対しては「回」を使用することがほとんどです。
セット(Set)
連続したレップ(回数)のまとまりで、1回のトレーニングの区切り(例:スクワット10回×3セット)。1種目2〜3セットを行うことが多く、種目ごとにセット数を変える場合があります。セットの合間には「インターバル」があります。
インターバル
セット間の休憩時間のこと。このインターバルは単純に休憩時間とするのではなく、運動効率を上げるためインターバル時間の原則に従うことをお勧めされています。また、種目間の移動時間のことを指す方もいらっしゃいます。
フォーム
言葉の通り「定型」の姿勢を指します。指定の種目を安全かつ効率的にトレーニングをするためには正しいフォームえ行うことが推奨されます。ただし、100%正しいフォームというのは存在せず、トレーニング実施者の体型や柔軟性などを考慮したフォーム調整が必要とされます。
オールアウト
1つの種目を限界まで追い込むこと。鍛えたい筋肉を極限まで追い込むことができるが、フォームを崩したりダンベルなどを頭上に落下させる危険性があるなど、安全面の考慮が必要。
RM(Repetition Maximum)
何回持ち上げられるかを示す「重さ」の指標(例:10RM=10回持ち上げられる重さ)。筋トレをする上で大切なことは適切な重さで適切な回数を行うことが重要。10回を行う場合は10RMで行うことが大切。パーソナルトレーニングやテクニカルな運動を行う場合はRMを変えて行う場合もある。
ボリューム(総負荷量)
重量×回数×セット数の合計。筋トレ初心者は10kg×10回×3セットというほうがわかりやすいが、これらを掛け合わせた総重量が変わらなければ重さも回数もセットも変えて良いともされている。トレーニング好きな方やトレーナーはこの考え方を持っていることがある。
筋トレの動作(動き方)
筋トレ中の動作にも様々な専門用語が出てきます。初心者のうちはあまり使うことが多くありません。
コンセントリック動作・ポジティブ動作(アイソトニック収縮)
筋肉が収縮しながら力を発揮する動作(例:ダンベルプレスで大胸筋を収縮させてダンベルを持ち上げる)。エキセントリック動作より力が弱い。スポーツなどを行っている方は特に重要な動き。
エキセントリック動作・ネガティブ動作(アイソトニック収縮)
筋肉が伸びながら力を発揮する動作(例:ダンベルプレスで大胸筋をストレッチしながらダンベルを下ろす)。コンセントリック動作より力が強い。筋肉への刺激が強く、ボディメイクやダイエットをするときは特に重要な動き。
アイソメトリック収縮
身体を動かさずに筋肉に力を入れる動作(例:プランクで姿勢を保ち続ける。空気椅子など)。重いものを持ち上げるなど大きな力は鍛えられないが、持続的に力を入れる筋肉の持久力を鍛えることができる。主にインナーマッスルをターゲットとすることが多い。
日常で使われる筋トレ??用語
ジムの広告やHP、インスタグラムなどSNSでよく使用されている筋トレ用語です。
ボディメイク
近年フィジークやベストボディなどの大会がメジャーになったことで使われるようになった用語。以前はダイエット、痩身、筋トレ、細マッチョなどの言葉がありましたが、主に良い外見や体格を作るためのトレーニングや食事の総称を「ボディメイク」と呼んでいます。狭義で言えばフィジークのためのトレーニングや食事制限など、広義で言えば姿勢改善のためのトレーニングやダイエットもボディメイクと言えるでしょう。
ワークアウト
work out(トレーニング・鍛える)などの意味で、いわゆるトレーニングのこと。細かくいうと、激しいトレーニング(鍛錬)が言葉としては該当し、一般的なジムで健康のために運動するのはエクササイズ・フィットネスなどの言葉が使われます。クロスフィット・HIITトレーニングではワークアウトが使われる印象です。(著者意見)
クロスフィット
クロスフィットとは、元々はアメリカの団体で、クロスフィットプログラムというものを政界で展開している。
クロスフィットは”様々な実用的な動作(ファンクショナルムーブメント)を高い度合いで行うストレングス、コンディショニングプログラム[3]”である。10の身体能力(心肺機能、スタミナ、筋力、柔軟性、パワー、スピード、連動性、俊敏性、バランス、正確性)を総合的に改善することで、包括的なフィットネスの形成を目的としている。そして、この包括的なフィットネスをクロスフィットでは”広範囲の時間域(有酸素域、中間域、無酸素域)、運動域(様々な身体動作)での高められた総合的な身体能力[4]”と定義している。
Wikipediaより引用
HIIT・ヒート・ヒット
高強度インターバルトレーニング(High Intensity Interval Training)の略で、負荷の高い運動と休憩を交互に繰り返すトレーニング方法です。心拍数が上がる高い負荷の運動を短時間で行い、筋力や持久力などを包括的に鍛えます。
筋トレテクニック・セット法
筋トレに慣れてくると、種目数が増えるため様々なテクニックやセット法などを活用して時間の効率化や効果の最大化を目指します。
ドロップセット
持ち上げられなくなったら重量を下げて、限界まで繰り返すセット法。重量が徐々に軽くなるため、オールアウトを目指しつつ、比較的安全性を確保できます。
スーパーセット
同じ筋肉を鍛える異なる種目を休憩なしで連続して行うセット法。同じ筋肉を使うものの、やり方が変わるため、刺激が変わりより追い込みが可能。類似する部位(力こぶと二の腕など)で行うコンパウンドセットもある。
レストポーズ法
限界まで行った後、小休憩を挟み追加で行うセット法(例:10回行ったら一度重りをおろし、数秒後に再度数回行う)。筋肉の緊張を一度解くことができるので、ほんの少しだけ筋力が回復します。
ジャイアントセット
4種目以上の種目を休憩なしで連続して行う方法。(例:スクワット・ダンベルプレス・デッドリフト・ダンベルロウなど)混雑していると実施が難しいので、フリーウエイト以外ではあまり行われない。
クラスターセット
1セット内で短い休憩を挟みながら行う方法(例:1回↔︎20秒インターバル計10回)連続して10回行うよりも高負荷をかけられるため、力を強くするには効果があると言われている。筋肉をつけるには効果があるかは明確になっていない。
チーティング
反動を使って限界を超えてトレーニングする方法。スポーツや日常動作のトレーニングとして有効。腱の伸長反射を活用するため、運動に不慣れな方や身体が硬くなっている高齢者は注意が必要。
ウォームアップセット
軽い重量で準備運動として行うセット。急に重りを重くせず、身体ならしになる。セット数が多くなり時間がかかるデメリットもある。
その他トレーニング用語
スロートレーニング
ゆっくりとした動作で筋肉に負荷をかけ続ける方法。筋肉の緊張時間が血流を抑制し、筋肉に対するストレスを強めるため、筋肉の成長をサポートする成長ホルモンの分泌を高めると言われています。
アイソレーション
特定の筋肉を集中的に鍛える種目(例:ももを触りながら片足レッグエクステンション)。「意識性の原則」トレーニングの原則があり、鍛えたい箇所の意識を高めることで、効果(この場合は筋肉の収縮力)が高まると言われています。
ブラッドフローリストリクション(BFR)・加圧トレーニング
血流を制限して軽い重量でも筋肥大を促す方法です。スロートレーニングも似た原理で、鍛える箇所の血流を一定に抑制することで、成長ホルモンの分泌を促進します。そのため、軽い負荷でも十分なトレーニング効果を得ることができます。ただし、圧のかけ具合など実施するトレーナーのスキルも要します。
パンプ(パンプアップ)
筋肉が一時的に膨らむ状態のこと。筋トレをすると筋肉の繊維(筋繊維)が損傷し、それを修復しようとして部分的に体液が集まります。結果、筋トレ直後は身体がパンパンになった状態になり、これをパンフアップと言います。
バルクアップ
一言で筋肉量が増えることです。パンプアップは一時的なものを指し、バルクアップは物理的に筋肉が増加している状態です。一般的な言葉で言うと「筋肉がついた」です。
RPE(主観的運動強度)
主観的運動強度(RPE:rating of perceived exertion)トレーニングのきつさを1~10で評価する指標のことです。数値化されない本人の感覚による評価のため、ものを使わずすぐに評価が可能です。反面、個人差が大きく、見栄を張る場合があるためトレーナーとお客様間の信頼性が重要です。
アクティベーション
ターゲットの筋肉を意識的に活性化させる動作のことです。使っている筋肉を触る、叩くのが多いです。タイツのようなピタッとしたウェアを着るのも一つのアクティベーションになります。
スティッキングポイント
トレーニング動作の中で最も力を発揮しづらいポイントのことで、スクワットで言うと太ももが地面と平行になるポジションが該当します。このポイントを使用するだけでも筋トレの負荷が増加します。
ストリクトフォーム
反動を使わずに正しいフォームで行うトレーニングのことで、一般的な筋トレはこちらが該当します。(あまり用語として使わない)
ターゲットマッスル・主動筋
メインで鍛える筋肉のこと。(例:ベンチプレスのターゲットは大胸筋)補助的に動く補助筋、拮抗してストレッチされる拮抗筋があります。
補助筋・拮抗筋
- 補助筋:主動筋を補助するように一緒に鍛える(例:ベンチプレス補助筋:上腕三頭筋)
- 拮抗筋:主動筋が縮むと拮抗筋はストレッチされる。(例:アームカール主動筋:上腕二頭筋/拮抗筋:上腕三頭筋)
考え方
プログレッシブオーバーロード
徐々に負荷を増やして筋肉を成長させる原則。負荷を増加しない場合、身体が負荷に慣れてしまい筋肉がそれ以上強くなろうとしなくなります。そのため、常に「ややきつい」という負荷をかけることで、今よりも筋肉がつくようになります。
TUT(Time Under Tension)
筋肉に負荷がかかる時間のことで、長いほど筋肥大に有効と言われています。「早すぎずゆっくり動かしましょう。」はこれが起因します。特にネガティブ動作の際に時間をかけることでより効果が増大します。
ピリオダイゼーション
ざっくり言うと、トレーニング計画を段階的に変化させる計画を立てることです。スポーツや競技などを行っている場合、体づくりを完成させるゴールがあります。そのタイミングに合わせて運動の計画を立てるのがピリオダイゼーションです。競技などを行っていない場合は「3ヶ月後に-5kgするための計画」を立てれば簡単なピリオダイゼーションです。
サルコメア肥大 / サルコプラズミック肥大
- サルコメア肥大:筋繊維の成長。筋力が強くなる。
- サルコプラズミック肥大:エネルギー貯蔵増加による筋肉の成長で、筋肉量の増加に関与
カーボローディング
一時的に炭水化物摂取量を増やしてパフォーマンスを向上させる方法。アスリートが試合前の良いタイミングで果物などを食べているのはカーボローディングをしています。「筋トレ前に食べた方が良いのか?」は時間によります。1〜2時間前には済ませましょう。
トレーニングツール・トレーニングギア
パワーベルト
パワーリフティングでよく使用されるトレーニングギアです。ベルトの厚み(高さ)が一定で、高重量の筋トレをしても怪我のリスクを低くします。バンドのお腹側にも厚みがあるため、BIG3以外の種目ではかえって使いづらい場合があります。
トレーニングベルト
ウエイトリフティングやトレーニングで使用されることが多く、使用用途はパワーベルトと同様です。パワーベルトに比べると付け心地はライトな感じで、布製・革製などがあります。ベルトのお腹側が細くなっていて様々な種目で使いやすくなっています。
リストラップ
手首に巻くサポートツールで、プッシュ動作(ベンチプレス・ショルダープレスなど)で使用することが多く、手首の怪我を予防します。高重量で運動する際に使用されます。
リストストラップ
布製と革製があり、プル動作やデッドリフトで使用されます。バーベルやダンベルを持っていると握力が先にもたないため、リストストラップを使用することで最小限の握力でダンベルを持つことができます。慣れていないとセットのたびにストラップを巻くのが大変です。
パワーグリップ
リストストラップの効果をより手軽に使用できるように開発されたのがパワーグリップです。表面にビニールのような素材が使われていると汗で滑りやすいため注意が必要です。
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