筋トレを始めた初心者から「1種目のセット数はどのくらいやったら良いか」という質問を多く受けます。セット数は回数・重さと一緒に筋トレの「負荷」を調節する重要な項目の一つです。
様々なやり方と考えがありますが、初心者のうちは2セットから始めるようにしましょう。
本記事は運動指導歴10年以上の私がこれまで筋トレ初心者から受けた質問をもとにセット数を決めるポイントをご紹介します。
筋トレセット数の決め方
筋トレのセット数は多いほど運動強度が上がります。運動強度が上がるほど「効果」は得られやすくなりますが、「つらさ」や怪我のリスクが高まるので、ただあげれば良いというわけではありません。
1セットのみの場合、十分な運動効果が得られない場合があるので、2セット以上は行うようにしましょう。
初心者は2セットから始めよう
筋トレ初心者は2セットから行うことをおすすめします。前述したように、1セットしか行わない場合、筋肉への刺激が少なく十分な運動効果が期待できないことがあります。
セット数は繰り返すことで、徐々に筋肉への刺激が強まり運動効果を高めてくれます。まずは+αの2セット目をしっかり行いましょう!
100m走を2回走ると2回目の方が辛いですよね。筋トレも同様に2回目の方が辛くなるので、筋肉への刺激も強くなります。
中級者以上も2セットで十分?
筋トレ中級者以上になっても2セットしか行わない方もいます。様々なテクニックを駆使すると少ないセット数でも十分な効果を得られることがあります。
セット数が少なければかかる時間も少なく、効率的になるメリットもあるのも特徴です。ただし、強度が上がり怪我のリスクも上がるので十分な注意が必要です。
脱初心者を目指すには3セット行いたい
2セットでも、重さを変えることで強度を変えられますが、さらに1セット追加しても強度を増やせます。
重さを増やすとフォームが崩れるリスクが高まりやすいので、休憩(インターバル)を挟める3セット目を追加して脱初心者を目指します!
3セット行ってもフォームが崩れなければフォームを習得したといって良いでしょう!
セット数を増やすと1種目ごとの時間がかかりますが、とてもシンプルです。「重さを増やす自信がない」という時はセット数を増やしましょう!
5セット行うと回数に限らず筋肥大効果があるという報告も
筋肉をつける(筋肥大)するには6〜10回を1セットとしますが、5セット以上行うと1セットの回数に限らず筋肥大効果あったという研究報告があります。
5セット以上を実際に行うとわかりますが、とても疲れます…体力に余裕がある場合は試してみることをお勧めします!
セット数が多すぎると時間がかかるデメリット
セット数が増えるほど、かかる時間も多くなります。5セットは時間に余裕があれば問題ありませんが、初心者のうちは体力的にも精神的にも長時間運動することに慣れていません。
辛かったり、翌日に響いて嫌になってしまうなど続けられなければ筋トレは意味がありません。「無理なく続けられる方法」を行うことを心がけましょう!
セット数以外に回数や重さを変えても強度が変わります。
もちろんセット数を増やすことだけが、強度を増やす手段ではありません。
回数・重さ・セット数をうまく組み合わせて、無理のない強度変化をしましょう。
セットの組み方とポイント
セット数の組み方は様々ですが、主に全体統一・メイン種目を多くするの2種類です。
また、トレーニングにかけられる時間がどのくらいあるかによってもセット数が変わります。
セット数を組む上でのベースとなる考えを一緒に確認しましょう!
セット数を全体統一する場合【初心者おすすめ】
全くの筋トレ初心者は、全ての種目を同じセット数にするところから始めましょう!
筋トレを始めたての頃はフォームやポイント、マシンの使い方など覚えることが多いです。
種目によってセット数が異なると、分からなくなるのでセット数は統一しておきましょう。
トレーニングの原則には全面性の原則というものがあります。好きな種目を多めに行うのも悪くありませんが、偏ってしまうことがあるのが難点です。セット数を統一すると筋トレ内容が偏らないメリットもあるので、目的がなければなるべく均等に行いましょう!
メイン種目のセット数を多くしよう
筋トレを継続して3ヶ月したら試してもらいたい方法です。筋トレ種目の中で、メインとなる種目のみセット数を多くする組み方です。
大きな筋肉(大筋群と言います)は3セット行い、それ以外の種目は「補助種目」として2セットにします。
下半身を鍛えたい女性ならば、レッグプレスで全体的に鍛えて、レッグカールでもも裏(ハムストリングス)をさらに鍛える。と言ったように目的に合わせてオリジナルなメニューになります。
種目によってセット数が異なりますが、頑張って覚えましょう!(笑)
同じ場所を鍛える場合はバランスを取ろう
脱初心者になると、種目数やセット数が増えてトレーニングの時間が長くなる傾向があります。その際は同じ場所のトレーニングを一つと考えてセット数のバランスをとりましょう。
- 下半身 :レッグプレス3セット
- 上半身(胸) :チェストプレス3セット
上記の例ではプルダウンとローロウは鍛える筋肉が似ているのでセット数を減らし、2種目で1つと考えるようにします。
同じ背中でも鍛える筋肉が全く異なる場合は別に考えるようにしましょう。
セット数を増やす以外ではセット法というものがあります
重さを変えたりセット数を増やして強度をあげることに飽きたら、セット法を試してみましょう。
セット方とは、単に複数セットやるだけでなく、異なる種目を組み合わせたり重さを変えながら実施することで、通常の筋トレより少し強度を上げることができます。
今回紹介するのは3種類で、脱初心者したてでも比較的簡単に取り組むことができます。
スーパーセットとは
1つ目は「スーパーセット」です。
スーパーセットとは特定の場所で対抗し合う筋肉(拮抗筋と言います)を、ほぼ休みなく連続して筋トレする方法です。
腕であれば力こぶ・二の腕、上半身であれば胸・背中といったように主には前後の筋肉をそれぞれ1種類選択します。
2種目を休みなく行なって、やっと休憩になります。1セットの時間が長くなり強度が上がりますが、短時間で効率的な筋トレが可能になるので、筋トレの時間があまり取れない方におすすめです。
ドロップセットとは
2つ目は「ドロップセット」です。
ドロップセットとは言葉の通り、重りを「ドロップ(落とす:筋トレ用語で「落とす」は下げるを意味します。)」してすぐに次の筋トレを行う方法です。
実際にやる時はなるべく休憩を挟まずに行うので、重りの変更がしやすい筋トレマシンで行うことがおすすめです。
何回ドロップするかの定義はありませんが、3〜4回ドロップすることが多く、3回ドロップするのをトリプルドロップセットと呼ばれています。
余談ですが、とことん追い込みたい方は筋トレマシンのプレートの枚数分ドロップする方もいるようです…
ピラミッドセットとは
3つ目は「ピラミッドセット」です。
ピラミッドセットは形からイメージできるかと思いますが、セットごとに重りを重くし、また下げていくやり方です。
重さを変えながら筋トレするので飽きが来づらいのが特徴で、単調な内容に飽きた方におすすめです。
セット数は4〜5セットから行い、増減は均等な山になるようにしましょう。インターバルは40〜60秒ほど取り、1セットの回数は重くするほど少なくします。
まとめ
トレーニングセットの考え方は様々です。「こうしなければいけない」という、正解はありません。ただ、考えすぎると泥沼にハマりますので、シンプルな方法を選択しましょう。
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