筋トレを始めたとき、「何回やれば良いかわからない」「どのくらいの重さでやらなければいけないか」という疑問を持つ筋トレ初心者は多いのではないでしょうか。
本記事は運動指導歴10年以上健康運動指導士の私が、筋トレを始める上での基本的な「回数」と「負荷設定」についてお伝えします。
筋トレは目的に合わせて回数を決めよう
筋トレを行うとき、効果を得るために必要なことは回数・負荷(重さ)を適切に決めて行うことです。
上級者はさまざまなテクニックを駆使し、マニュアルに囚われないトレーニングを行いますが、初心者のうちは基本をおさえてトレーニングを行いましょう!
まずは「1セットごとの回数」について確認します。
回数ごとの目的と効果
筋トレを行うときは「目的に合わせた回数」を決めます。目的に見合った回数で行っていない場合、「筋トレしているのに自分の思った結果が出ない」といったことがあります。目的に合わせて今行うべき回数を見極めましょう。
筋肉をつけると体重が重くなるのは間違いありませんが、イコール太るではありません。増えた筋肉量分の脂肪を落とせば体重の変化はありません。
とは言ってもガンガン筋肉量を増やしましょう!ということではありません。適度につけてあげることが大切です。
ダイエット目的で行う回数
ダイエットをする場合は2.筋肥大(筋量アップ):6〜10回または3.筋持久力アップ:10〜15回の方法を取りましょう。
なぜ2つを取るかというと、現在十分な筋肉量があるかどうかで選ぶべき方法が変わるからです。
- 十分な筋肉量がない:筋肥大(筋量アップ)6〜8回
- 十分な筋肉量がある:筋持久力アップ10〜15回
ダイエットをする場合、十分な筋肉量の確保はリバウンドの防止やスタイルアップに欠かせません。
筋持久力アップの方法は筋肥大させる作用は弱いのですが、遅筋繊維(身を引き締める筋肉)をつけるための作用が強くなります。速筋繊維(大きな力を発揮する筋肉)よりも密度が薄く、比重が軽いため、体重を落としたりスリムになるには必須な筋肉です。
ただし、遅筋繊維は長時間エネルギーを使い続けることが得意ですが、基礎代謝量は増やしにくいので余分な脂肪を落としにくくなります。
まずは筋肉をつけることが重要と覚えておきましょう!
細マッチョになりたい男子の回数
最近は細マッチョを目指す男性も増えたのではないでしょうか?細マッチョを目指すには筋肉をつけすぎず、余分な脂肪を落とす必要があります。
1セットごとの回数を多く行うと、運動時間が長くなり運動中のエネルギー消費量が多くなります。また、持続時間が長くなるほど遅筋繊維が多く動員され、引き締まった体を作ってくれます。
ただし、遅筋繊維は構造上あまり太くはならないので、できればセット数を多めに行うことをおすすめします。後述しますが、適度な重さで5セット以上行った場合、回数に関係なく筋肥大したという研究結果があるためです。
競技などのために瞬発的な力をつけたい人
スポーツや競技を行っている人は、瞬発的な力を求められる場合があります。その場合筋肉量を増やすだけでなく、つけた筋肉を効率よく働かせる能力が求められます。
筋肉は付けた分だけ体重が多くなります。スポーツにおいては場合により重しになってしまうため、ただつければ良いという分けではありません。
特に1〜3回で行うと瞬間的な力発揮が強くなります。その代わりトレーニング時間は極端に短くなり、ダイエットをしたい方には向きません。
また、今ある筋肉で力発揮をする練習をするため、元々の筋肉量が少なければ力発揮も小さくなります。
筋力アップのトレーニングは高重量を扱うため、怪我のリスクが高くなります。十分な筋量をつけ、ウォーミングアップをしっかり行なって実施しましょう!
負荷は回数によって変える必要があります
回数は理解したけど重さはどのくらいで行えばいいんですか?
目標の回数をギリギリできる重さで行うようにしましょう!
筋トレを行う際、回数と同様に「負荷設定」も重要です。目標の回数を決めて、その回数をできなすぎず、出来すぎない重さの設定を行いましょう!
目標回数を行うことが重要なのではなく、「適切な負荷で目標回数をギリギリ行える」ことが重要です。適度な負荷をかけて効率良く目的が達成できるようにしましょう!
でも適切な負荷ってどうやって設定すれば良いの?
何度も筋トレしていると感覚的にわかるようになりますが、1RMテストというテストを行うと簡単にわかります!
1RMを測定すると目安がわかります
1RM(repetition maximum)とはその種目を1回ギリギリ持ち上げられる重さのことで、目的に合わせた回数で行う重さの指標となります。
この数値を確認するテストを「1R Mテスト」と言い、筋トレマシンでも簡単に実施することができます。1RMがわかったら、下の数字と照らし合わせて目標回数の重さを確認しましょう!
※運動当日の体調やセット数などによって実施できる重さは変動します。無理に行わないよう注意しましょう。
おすすめの1RM測定方法
1RMを測定するとき、無理に1回ギリギリを持ち上げると怪我をするリスクが高くなります。怪我を回避するために下記の方法がおすすめです。
3の回数は実際に6〜8回にならなくても問題ありません。15回以上できてしまう場合は60秒休憩ののち、重さを調整してサイド行いましょう!
筋トレの時間はどのくらいかかる?回数によって変動します
筋トレはどのくらいの時間かかりますか?1時間くらいで帰りたいので目安が知りたいです!
ざっくり計算すると全身筋トレは20〜50分で行えます。
トレーニングの原理・原則には「過負荷の原則」というものがあります。一言で言えば「日常より強い負荷をかけ続けて筋肉を疲労させましょう」です。トレーニングに必要な時間はここから計算します。
重い負荷をかけても、かけ続ける時間が短ければ筋肉は疲労しきれません。そのため、通常のやり方の場合筋肥大させるには10回前後の回数を必要とします。
下半身は上半身にくらべ、筋肉量が違うためかけるべき時間が多くなります。上半身メニューと下半身メニューの場合でどのくらい時間がかかるか計算してみましょう!
上半身メニューの場合
下半身メニューの場合
1セットごとの回数に慣れてきたら
1RMテストも行って筋トレをしましたが、1ヶ月続けたら軽く感じるようになりました。
このまま続ければ良いですか?
週2〜3回の筋トレをしていると3週間経ったあたりから余裕ができ始めます。定期的に負荷を増やしましょう!
1セットの中で負荷を変更する方法は重さ・回数の2種類です。どちらの方法でも問題ありませんが、負荷を増やしすぎないように注意しましょう。
回数は変えず、重さを変更してみよう
1つ目の方法は「重さ」の変更です。
マシン筋トレの場合は、2.5kg間隔で重さを変更することができます。「余裕がある」と感じたら、1枚重さを増やしてみましょう!
1セット目は余裕があるけど3セット目はかなりしんどい!なんてこともあり得ます。1種目が終わった後にどう感じるかを判断基準にしましょう!
目的別の回数以内で回数を増やす
2つ目の方法は「1セット内の回数を増やす」です。
筋肥大(筋量アップ)を例にすると、6〜10回が1セットの目安です。初めは6回ギリギリできる重さ(6RM)ではじめ、1回ずつ回数を増やします。
6回ギリギリできる重さでの「もう一回」は十分な+αの負荷を与えてくれます。
10回以上できてしまうと今度は「筋肥大のための負荷」から離れてしまうので注意しましょう!
5セット以上行うと目的別の回数に限らず筋肥大できるという研究も
これは余談ですが、回数に限らず5セット以上行うと筋肥大するという研究結果が報告されています。
回数や適した重さ(負荷)の設定は大切ですが、同様に「セット数」も重要になります。
回数・重さ・セット数・インターバルをしっかり設定し、効率的かつ効果的な筋トレに取り組みましょう!
結局回数と重さはどちらを増やしていくべきなのか
回数と重さはどちらを優先して増やしていけば良いですか?
基本的には交互に増やしていくことをおすすめします。
重さだけを増やしていくことも可能ですが、重くなるほど怪我のリスクが大きくなります。回数増加をうまく取り入れながらステップアップしていくことをおすすめします!
女性が引き締まった体を手に入れるために、フォーストレップス法でとことん回数を増やして負荷を高める方法を取ることもありますが、初心者のうちは基本に沿った方法がおすすめです。
しかし、やり方は無限大に存在します。慣れてきたら様々な方法を試し、自分に合った方法を取り入れましょう!
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