デッドリフトって名前からしてかなりキツそうなトレーニングですね…
ジムでの運動にも慣れてきたので試してみたいです!
デッドリフトはそのまま名前に由来があるトレーニング方法です!
フリーウエイトトレーニングの基礎とされる有名な種目ですのでぜひチャレンジしてみましょう。
デッドリフトはスクワット同様全身を使うフリーウエイトトレーニングです。フォームは難しいところもありますが、ポイントをおさえるととても良いトレーニングになります!
*この記事をおすすめする方
- 筋トレ初心者
- デッドリフトをトレーニングメニューに入れたい方
- デッドリフトのフォームを知りたい方
「デッドリフト」のやり方
デッドリフトのやり方は種目によってやや異なりますが、基本的には床に置いた重りを「引き上げます」
主には「バーベル」と「ダンベル」を使ったデッドリフトがあり、語源は諸説がありますが、「dead(死者)」を「lift(持ち上げる)」という意味があります。
昔はトレーニング機材がなかったので、日常にあるものがトレーニング機材になったと言われています。牧場で飼っている牛を毎日持ち上げて、徐々に大きくなる牛の重みを利用して、漸進的負荷を増やしたりもしていたそうです。
似た運動としてスクワットがありますが、スクワットは「押し上げる運動」です。
バーベルデッドリフト
まずは「バーベルデッドリフト」のやり方を確認しましょう。
バーベルは1本の鉄棒の左右に重みをつけて行います。ダンベルに比べると負荷を上げやすいので筋肥大するにはおすすめですが、姿勢が崩れやすくなる反面もあります。
*始め方
- 立った状態から始める
- 床に置いた状態から始める
の二通りがあります。
初心者は「1、立った状態から始める」で行いましょう!
*バーベルデッドリフトのやり方
- ラックの置き場所は自分の骨盤よりやや低くしましょう
- バーは肩幅より拳一個分広く、上から握ります
- ゆっくりラックからバーを外し、後ろに下がります
- 足を肩幅に開き、足裏全体にバランスよく体重が乗ることを確認しましょう
- お腹を凹まし、目線をあげて首を長くします
- 動作中は上半身の姿勢を保ち、肘は伸ばしたままにします
- 大きくお辞儀、お尻を突き出し、軽く膝を曲げるようにしゃがみましょう
- バーをももにそわせるようにして、なるべく身体の近くでバーを動かします
- 立ち上がる際は頭頂部から重りを引き上げるように意識しましょう
床に置いた重いものを、全身で持ち上げるイメージで行いましょう。
「スモウスタンス」デッドリフト
同じバーベルデッドリフトでも足を広く構える「スモウスタンスデッドリフト」があります。
足幅を広く構えるので「ワイドスタンス」とも言われています。始め方は「②床に置いた状態から始める」で行いましょう。
上半身の姿勢をうまく保てない方ははこのスタンスがおすすめです。
*スモウスタンスデッドリフトの特徴
- 上半身の姿勢を保ちやすい
- 内転筋群の刺激が強まる
- バランスが取りやすい
*スモウスタンスデッドリフトのやり方
- 床に置いたバーの近くに立ち、足を肩幅より広く構えます
- つま先は30度よりやや外に向け、かがんだ際に膝と同じ方向を向くようにします
- バーは肩幅でもち、両膝の内側に両手が来るようにします
- お腹を凹まし、顎をあげて首を長く保ちます
- バーが身体の近くを動くようにしながらゆっくり持ち上げましょう
- 持ち上げ切った際はハムストリングスの付け根を「キュッ」とします
- 動作中は上半身の姿勢を保ち、肘は伸ばしたままにします
「ナロースタンス」デッドリフト
柔軟性をつけたい、柔軟性に自信がある、という方は「ナロースタンスデッドリフト」もおすすめです。
ナロースタンスは足幅を狭く構えて行います。関節の柔らかさ(可動域)が必要となる種目で、関節が硬い方は膝や腰を痛めることがあるので注意しましょう。
*ナロースタンスデッドリフトのやり方
- ラックの置き場所は自分の骨盤よりやや低くしましょう
- バーは肩幅より拳一個分広く、上から握ります
- ゆっくりラックからバーを外し、後ろに下がります
- 足を腰幅に開き、足裏全体にバランスよく体重が乗ることを確認しましょう
- お腹を凹まし、目線をあげて首を長くします
- 動作中は上半身の姿勢を保ち、肘は伸ばしたままにします
- 大きくお辞儀、お尻を突き出し、軽く膝を曲げるようにしゃがみましょう
- バーをももにそわせるようにして、なるべく身体の近くでバーを動かします
- 立ち上がる際は頭頂部から重りを引き上げるように意識しましょう
通常のデッドリフトよりも姿勢が崩れやすくなります。上半身の姿勢が保てなかったり、すねが痛くなる場合は無理に大きく動かさないようにしましょう。
ダンベルデッドリフト
次に「ダンベルデッドリフト」のやり方を確認します。体力に自信がない方や女性はダンベルから始めると安心です。
今回はダンベル一つで行える種目をご紹介します。
余談ですが、ダンベルは「鉄アレイ」とも言われています。片手や両手で行うなど、汎用性が高いのが特徴です。
*ダンベルデッドリフトのやり方
- 一つのダンベルを縦にして、重りの部分を両手で持ちます
- 足を肩幅に開き、足裏全体にバランスよく体重が乗ることを確認しましょう
- お腹を凹まし、目線をあげて首を長くします
- 動作中は上半身の姿勢を保ち、肘は伸ばしたままにします
- ダンベルを両足の中央へまっすぐ下ろすように屈みます
- 立ち上がる際はダンベルを地面から引っこ抜くように持ち上げます
ケトルベルを使用したデッドリフトもアリ
最近はダンベルでなくケトルベルを置くジムも多くなりました。ダンベルよりも両手で持ちやすい設計になっているのでおすすめです。
ただし、ダンベルと比較すると重さの種類が少なく、重さの選択が難しい場合があるので注意しましょう。
ケトルベルはKettle-bellと書き、直訳すれば「鍾のやかん」です。
ダンベルやバーベルと異なり小ぢんまりとした形をしているのが特徴で、振り上げたり頭上に持ち上げたりしやすくなっています。
余談ですが、バーベルは「bar-bell(鍾の棒)」、ダンベルは「dumb-bell(亜鈴)」と訳します。ダンベルは昔「鉄亜鈴」と呼ばれていました。
デッドリフトは他にも種類があります
デッドリフトは足幅を変える他にもいくつか種類があり、大きく分けると三つに分類されます。
- パーシャルレップデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフト
- スティフレッグドデッドリフト
初心者は①を、中級者になったら②③を行ってみましょう!
デッドリフト「ハーフレンジ」「フルレンジ」
「ハーフレンジ」または「フルレンジ」に分けて行う「パーシャルレンジデッドリフト」は動きの大きさを分けて行う方法です。
- フルレンジ:バーが床につく直前まで降ろして持ち上げる
- ハーフレンジ:膝のやや下まで降ろして持ち上げる
どちらも動きは基本のデッドリフトで、動きの幅だけが変わります。
ハーフレンジはフルレンジに比べて楽に行うことができます。フルレンジは強度が増しますが、その分効果も増します。
最初はハーフレンジから練習し、徐々にフルレンジへ移行しましょう。
効果を求めて無理にフルレンジを行うと、姿勢が崩れて怪我をします!「姿勢が保てること」を前提に大きくしましょう!
ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフト(romanian deadlift)はルーマニアの有名なウエイトリフターが考案したデッドリフトで、大臀筋とハムストリングスを重点的に鍛えるやり方です。
*ルーマニアンデッドリフトのポイント
- 足首はほぼ動かさない
- 上体の前屈を大きくする
- 膝を軽く曲げお尻を後ろに突き出す
主に股関節を重点的に動かしましょう!上半身の姿勢が崩れると、腰を痛めるので注意します。
スティッフレッグドデッドリフト
スティッフレッグドデッドリフト(stiff-legged-deadlift)は直訳で「足が硬いデッドリフト」です。
ルーマニアンデッドリフト以上に膝の動きをなくし、足を固定したままデッドリフトするため、ハムストリングスを重点的に鍛えます。
バーベルを持ったまま最敬礼をするトレーニングと思うとわかりやすいですね!
*スティッフレッグドデッドリフトのポイント
- 膝はなるべく伸ばして行う
- 高重量を行うよりもなるべく動きの幅を大きくする
- 足の付け根から折り曲げ、上体は大きく前へ倒す
デッドリフトはフォームを大事にしましょう
デッドリフトはスクワット同様「BIG3」という3種類の王道トレーニングに並べられています。
せっかくの王道トレーニングもフォームが崩れれば、効果は半減します。
それぞれのポイントを確認しましょう!
デッドリフトのポイント1「姿勢」
一つ目のポイントは「姿勢」です。
股関節を基準に「上半身」と「下半身」に分けて確認します。
動きのイメージがうまくできない場合は、まずはそれぞれに分けて動かしてみましょう。
*上半身の姿勢
- 下っ腹を凹まし腹圧を高める
- 肩を撫で下ろし、首を長く保つ
- 肘は伸ばし切ったままにする
- 過度に腰を逸らさない
- 動作中、背骨が丸まらないようまっすぐを保つ
- 上半身は最敬礼をするように大きく前屈する
バーベルの重みに負けて背中が丸まったり、お尻を後ろに突き出して腰が過度に反れることが多いです。足の付け根から頭頂までを1枚の板にして動かしましょう!
*下半身の姿勢
- 足首、膝、股関節の三つを動かす。2:3:5くらいの比率をイメージする
- つま先はやや外に向け、両足で30度くらいにする
- 膝は常に足幅と同じくらいに開いたまま運動する
- かがんだ時はつま先の垂直上に膝が来るようにする
- お尻の穴を後方へ向けるようにかがむ
デッドリフトはしっかり上半身を前屈し、お尻の穴を後方に向けないと綺麗な動作ができません。
「お尻を突き出す」ではなく「お尻の穴を後ろに向ける」と覚えましょう!
デッドリフトのポイント2「グリップ」
先生、デッドリフトの時、バーはどう持てば良いのですか?
デッドリフトのグリップはオーバーハンドかオルタネイトグリップで行います。また、「持ち方」と「握り方」も大切ですので確認しましょう!
初心者、上級者に関わらずトレーニングの後半は重さに負けて握力が続かずトレーニングを断念します。
「背中や下半身はまだ余裕があるのに、握力がなくなって運動できない…」というのは勿体無いので、なるべく続けられる方法で行いましょう!
*バーの握り方
- サムアラウンドグリップ:ものを掴むようにバーを握る
- サムレスグリップ :五指を揃えてフックのようにバーを握る
おすすめするのは前腕に余分な力が入らないサムレスグリップですが、サムアラウンドの方が「安心感」があります。
*バーの持ち方
- オーバーハンドグリップ:上からバーを握る
- リバースグリップ:下からバーを握る
- オルタネイトグリップ:片手はオーバーハンド、片手はリバースグリップで握る
デッドリフトは、オーバーハンド、またはオルタネイトグリップで持つのが基本です。リバースグリップを使うことは少ないです。
オルタネイトグリップでのデッドリフトは安定性が増します
デッドリフトは重量が重くなるほど「オルタネイトグリップ」をおすすめします。
オルタネイトグリップは持ち方の構造上、オーバーハンドやリバースグリップよりも、重りでバーが回転することを防げます。
実際にバーを重くして持ってもらうとわかるのですが、疲れるとだんだんバーが手先に移ります。運動中手のひらの中でバーが回転する力がはたらくので、オルタネイトグリップにすると回転を最小限に抑えることができます。
ちょっとしたことですが、疲れてくると影響が出るので工夫が必要です!
パワーグリップを使用してデッドリフトをする方も増えましたね
オルタネイトグリップでサムレスに握っても握力が弱くて耐えられません…
パワーグリップを使うのもありですよ!最近はヘビートレーニーだけでなく、一般の方も使っている方が多いです。
「パワーグリップ」とは、背中のトレーニングやデッドリフトで使用されるトレーニングツールの名称です。
使用すると握力を補助してくれ、トレーニングを持続的に行いやすくしてくれます。
重量が軽いうちは使用をおすすめしませんが、トレーニングに支障が出るなら使用しましょう!自分の力でできるなら使用せずできるのがベターです。
「グローブを使ってデッドリフトしても効果はないですか?」
ベンチプレスでグローブを使っているのですが、デッドリフトでも使えますか?
滑り止めがあれば効果はあると思います。ただ、どちらかといえば押す力に特化したトレーニング器具です。
グローブはクッション性や滑り止めが目的で、ベンチプレスやショルダープレスなど「押す種目」で使われます。引く種目であるデッドリフトでも使用はできますが、購入できるならパワーグリップがおすすめです!
デッドリフトのポイント3「呼吸」
デッドリフトのポイント三つ目は「呼吸」です。
スクワットで呼吸のリズムは覚えたのですが、デッドリフトも同じですか?
力を入れる際に「吐く」戻す際に「吸う」の基本は変わりません。
ただし、「引く動作」の場合は逆にして行う場合もあります!
この記事を読む手を止めて、息を大きく吸い込んでください。胸を張っていませんか?
呼吸は息を吸う時に胸を張って背中に力が入ります。デッドリフトの動作も持ち上げる時に胸を張る姿勢になります。
この動きを合わせて、持ち上げる(いきむ)際に吸い込むことで、体のリズムがマッチするとも言われています。
ただ、ぶっちゃけると運動初心者の方へこの話をすると混乱します…まずは「呼吸をすること」を忘れないようにしましょう!
スクワットの記事でも書きましたが、
「つらい」「きつい」というものは筋トレ継続のモチベーションを下げます。同じ運動を行っているのに辛ければ運動効率も落ちますので、継続的な呼吸を意識しましょう。
デッドリフトはどこに効果が出る?使われる筋肉は?
デッドリフトはスクワット同様、全身トレーニングです。
主に鍛える筋肉は脊柱起立筋(腰)ですが、足も上背も鍛えてくれます。特に体の背面を全面的に鍛えてくれます。
*デッドリフトで主に使う筋肉
- 脊柱起立筋
- ハムストリングス
- 大臀筋
- 広背筋
デッドリフトで使う筋肉1「腰」
デッドリフトは「腰を鍛える」と言われますが、筋肉の名称は「脊柱起立筋」と言います。
この筋肉は言葉の通り、「脊柱」を「起立」させるための「筋」肉です。腹横筋などと同じように深層にあります。
骨盤から頭蓋骨まで、背骨の一つひとつを細かなササミで連結してできています。姿勢を保つために働き、弱まると猫背や反り腰の原因となります。逆を言えば、強化することで「良い姿勢」を作ることも可能です。
デッドリフトで使う筋肉2「背中」
デッドリフトは手に持った重りを支えるために上背の力も使います。
- 広背筋:腰椎〜肩甲骨〜上腕骨をつなぐ筋肉
- 僧帽筋:胸椎、頸椎〜肩甲骨をつなぐ筋肉
腕にかかった重みは肩甲骨を介し、背骨につながる筋肉で支えられています。
この筋肉が鍛えられると、肩甲骨の機能性が増して脂肪燃焼促進・余分な脂肪の除去などの効果が望めます。
デッドリフトで使う筋肉3「脚全体」
デッドリフトの動作で欠かせないのが「下半身全体」です。
- ハムストリングス:もも裏の筋肉
- 大臀筋 :お尻の後ろの筋肉
を主に鍛え、上半身同様体の背面を強化します。
もちろん大腿四頭筋やカーフ(下腿三頭筋)も鍛えられます!もも裏やお尻を重点的に使うので、スタイルアップしたい女性にはおすすめですね!床に置いた重い荷物を持ち上げる動作の練習にもなります。
デッドリフトで使う筋肉4「握力」
途中グリップのご紹介をしましたが、握る力(前腕の力)を鍛えることも可能です。
相乗効果程度に考えていただきたいですが、「ものを握る」というのは「人間の基本動作の一つ」です。
筋力トレーニングの際はツールを使えばなくても良いものですが、日常的に物をつかみませんか?お箸は持ちませんか?100kgもある必要はありませんが、使わなくなれば弱くなります。今から30年後、50年後を見越してついでに鍛えておきましょう!
【番外編】デッドリフトの世界記録は何kg?
最後に番外編ですが…デッドリフトとはパワーリフティングと呼ばれる競技の一つです。
「何kg持ち上げられるか」を競う大会であり、2020年5月にハフソー・ビョルンソンさんが501kgを持ち上げました。
これまでの記録を1kg塗り替えて世界記録を更新しました。
まず他にも500kgを持ち上げる方がいることに驚きですが、夜道にあったら人生を諦めそうですね…笑トレーニングが好きになったら自己ベスト更新をモチベーションにするのも良いですね!
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